段取りで時間を短縮、第二種電気工事士技能試験

技能試験は時間との闘いでもあります、本当に制限時間は短いものです。
年々と制限時間は長くなってきましたが、それは試験項目が増えて内容が複雑になったからです。
決して時間を緩和したとは言えないものです。

試験会場は学校の教室を使うことが多く、試験で使う机はいわゆる「学校机」か大学の「講義用の机」です。

試験会場は学校
試験会場は学校が多い

作業台等とは異なり、学校の机はとても狭く作業に余裕はありません、しかも座って作業することになっており、立って作業する事は認められません。腰道具のベルトは使えないということです。

本番の試験となると誰もが緊張します、手に汗握る瞬間でもあります。この汗も技能試験を難しくしていると言えるでしょう。緊張すると手に汗をかくので汗で電線が滑ります。いつもの調子とは違います。

課題の作品は規定の時間内に完成させないと絶対に合格しません。審査されるのは完成した作品のみです。電光石火のごとく短時間で仕上げる人もいれば、試験課題を完成することができず、時間切れとなり、試験会場で涙を飲む方も多数いらっしゃいます。

この差は手の動きが早いだけなのでしょうか?
必ずしもそうではないと思います。
ではどこが違うのでしょう?

作業に余分な動きが少なく、一つ一つの動きに無駄な動きがないのです。
全ては練習の成果と言えるものですが、それ以外にもポイントを押さえておけば時間短縮やロスタイム削減は可能です。
大幅な時間短縮法というのはありませんが、ほんの10秒の積み重ねが余裕の1分となります。
では技能試験の時間短縮ポイントを確認してゆきましょう。

試験開始前にできること

工具は使う順序に並べておきましょう

良く使うプラスドライバ、ペンチ、ナイフは定位置を決めておき使った工具は必ずもとの位置に置きます。工具を探す時間ロスを減らせます。

工具はキチンと整理


部材が配られたらケーブルを綺麗に伸ばし長さを確認します、部材は方向、極性や上下や裏表を確認し並べます、これを試験開始前にしておけば、試験中に確認する時間が短縮できます。

技能試験部材
技能試験の部材


ただし、ねじ類をゆるめることは禁止されていますからご注意を。

部材の個数やアウトレットボックスの穴の打抜き場所、電線の長さから出題を想像し頭の回転を上げておきます。

パイロットランプか三路スイッチがあればそれぞれ回路を頭にうかべます。
部材の入っていた大箱はフタを開いて足下に置き、クズ箱代わりにしましょう。

試験が始まったら

試験が始まっても、しばらくは沈黙が続きます。

皆さん出題に目をこらし、頭がフル回転しているのです。
開始して数分すると、早い人は作業を始め周りはざわめき出します。

ここで焦らず、動揺しないよう落ち着いて複線図に集中しましょう。
(複線図を書く用紙スペースはほとんどありません日頃から小さく書く練習を!)

電気工事士の試験イメージ
電気工事士の試験イメージ

必要の無くなった工具は机の下に移動し(ウォーターポンププライヤやマイナスドライバなど)机を極力広く整理し作業しやすくします。
はめ忘れが生じやすいゴムブッシング、PF管・PFコネクタは先に付ける。
皮むきしたクズは足下の箱に投げ込みましょう、この時にこぼれても気にしない事です。ビニールの切りくず袋は試験中は使わなくてかまいません。試験後に掃除すればいいのです。
部材や工具を床に落さないよう注意しましょう、落とすと拾いに行く時間がロスタイムになります。部材ケースはそのまま机上で使うのもいいでしょう。

試験が終わったら

試験中に散らかした切りカスやゴミは、綺麗にクズ袋に入れて片付けましょう。そして忘れ物もしないようにしましょう。

技能試験の屑入れ
くず入れ袋も配られます

時間の余裕が「心の余裕」となりますね、時間が余れば見直しもできます、自己採点で合格の自信を持つこともできます。試験で慌てず平常心で作業できるよう、試験の練習を何度も何度も繰り返しましょう。